思わずCIOになりたくなる。
ルーチンワークを決めようかと。そのうちのひとつが通勤時間の技術書じゃない読書。で、買っておいて全然読んでないものから始めた。まずは「マッキンゼーITの本質」。
業務システム構築をしてて顧客と向き合っている人だったら本の冒頭にあげている問題点、ITコストの可視化などの処方箋も普通に感じるかもしれない。でも、そーゆーのもふまえてよくまとまっているのでいいおさらいになった。そのIT化ってどうよ?ってね。冷静に考えてIT化で実現できてない/しなきゃいけないことっていっぱいあるんだなぁーと再認識させられた。本書は2005年のものだけど別に今でも遜色なし。マッキンゼーのシンクタンクの調査結果や
実際の企業名も入ったユースケース、特に失敗例などがちりばめられてるので抽象的な表現もイメージしやすく読みやすい方だと思った。EAIなんかも今ではSOAに読み替えて普通に読める。本書の最後にはユニクロ/ファーストリテリングの中の人の生の声もあり業務改革ということを真剣に考えたくなったりもします。ちょっとCIOになりたくなった。
いくつかのキーワードをば。
ITが果たしたのはビジネスモデルを具現化したするための道具としての貢献である。すなわちITがあって生産性が向上するのではなく、まずはイノベーションや規制緩和があって新しいビジネスモデルがうまれそれを支える道具としてITを活用する. - 過去の証券オンライントレードの広がりの中で。
IT投資の質の向上とは投資テーマを正しく選んでいるというわけではなく、ましてや正しいベンダーや技術を選んでいるかといった方法論でもない。行なうべきは他社に対して競争優位をつくるための事業戦略を正しく設定しているか、〜中略〜、提供したいユニークな訴求価値とは何かを考え、それを実現し続けるための努力をしているか、といったことを経営陣が議論すること。
ITだけでは生産性を向上させるには不十分であることを示している。生産性の向上には製品やサービスの提供方法を根本的に変えるほどの経営上のイノベーションが必要だ。そしてビジネスプロセスの改善や組織能力の向上と最適なテクノロジーの導入とを同時に実現することで景気の良し悪しに関わらずイノベーションを生み出すことは可能である。
経営上のイノベーションというのは、言い換えるとビジョンをもった経営者がしっかりコミットしていることとでも言えるのかな?経営云々かんぬんは知識、経験ゼロなのでえらそうなことはいえないけど、最初の一文に関しては経験値として納得できる。ただIT化やりゃいいってもんじゃないと。
自社に弱い分野があっても多額の投資をしないで、標準アプリ、BPOで手堅く低コストで解決手段になるんだったらそれで弱点を補えばいい。逆に長期の競争優位につながる分野では集中的に投資することはもちろん、システムを自社開発することにも十分意味がある。ウォルマートの初めてのSCMも独自システム。
順序とタイミング
新しいテクノロジー導入をすすめ業務をむしろ複雑化させてしまい、ITコストを増大させてしまった。多くの企業はITの複雑性を下げることではなく、IT予算総額の抑制に目をむけがち。
(複雑なものを)まずは単純にする、それから効率よくする
で、振り返ると世にあるBPMSもまだまだなんだなぁーと思ったあるね。もっともっとお仕事よくできる余地あるね。業務システム構築に携わる方々、えらくない人であったとしても、読んでおいてもいいんじゃないかなぁ(目から鱗とまではいかないにしても)。あ、原書は海の向こうの人が書いてるというのも頭のどこかにおいておいたほうがいいかも。
マッキンゼー ITの本質 情報システムを活かした「業務改革」で利益を創出する (The McKinsey anthology)
- 作者: 横浜信一,萩平和巳,金平直人,大隈健史,琴坂将広,鈴木立哉
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/03/04
- メディア: 単行本
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